○ミドル・シーン12――コルヴディム
GM:お待たせしました。本日のイベントです。
GM:シーンの舞台は第二層、幻竜騎士団本部。登場判定の難易度は10で、更に適切なコネクションを使用する必要があります。
セラ:「今日はいまいち……。うーん、帰って休もうかな」
GM:階層差によるペナルティはレンハさんが±0、アールゥさんが-6、ホロさんが-2(※第四層扱い)、セラさんが-5ですね。
GM:さあ、我こそと思う者は登場せよ! 全員出れなかったら普通にマスターシーンです。
レンハ:おっと、そのコネクションは同じ階層に居る己も必要になるのか。
GM:はい、必要になります。
アールゥ:コネ……クリス様使えますか?
GM:王族は強い。はい、問題ありません。
セラ:ケリィは?
GM:無理
ワッカ:ケリィって奇策士~!
ホロ:姫様の護衛としてそばにいます。
レンハ:国王へのコネクションのオールマイティっぷりよ……
GM:なんたってPC1ですからね!
セラ:出ませんよ。
アールゥ:レンハ殿に成功してもらって《緊急招集》で……無理ですか?(笑)
GM:あー、ギルドスキル使うなら認めましょう。判定に失敗してからそれで登場するのもありとします。
レンハ:しかし、ここで使うかどうかと言われると覚悟が必要だなぁ。後で「シーンn――エグベルト」とか言われると残念な気持ちになる。
レンハ:フェイ侯爵なら間違いなく切ってるところだが
GM:くくく……さあ、悩めっ……!
アールゥ:とりあえずフェイト1点使用して振ってみますか…… 3d6+5-6
Dice:3d6+5-6 = (3d6:3+1+1=5)+5-6 = [4]
アールゥ:期待値……に、ほど遠く……
GM:そうそう。念のため言っておきますが、セラさんはコルヴディムへのコネを持っているので、登場判定のダイスに+1個されますよ。
セラ:場所が場所だからなぁ……。出づらい
GM:一応自分のコネクションのシーンには積極的に出たほうがいいんじゃないでしょうかと私などは思いますがこれは老婆心かもしれません
セラ:んー。じゃあ出とくよ…… えーと-5……。
セラ:使えるコネクションが姫様二人くらいしかいないような気がする不具合
GM:ふふふ……実はコルヴディムでもいけたりします。
セラ:どういうことなの……。じゃあコルヴディムで行くよー。登場判定は《ダンシングヒーロー》。 4d6+3
Dice:4d6+3 = (4d6:3+6+5+6=20)+3 = [23]
セラ:あっステンドグラス割れた
レンハ:慣用句みたいになっとる
GM:セラさんかっこいー(棒)
GM:他に登場する人はいませんか?
GM:登場判定ででも、《緊急招集》ででも。
アールゥ:レンハ殿かホロ殿が成功してくれないとギルドスキルが(笑)
セラ:正直、ホロくんは姫君に付いておいてほしいから…… すると……(チラッ)
GM:ペロ……これはセラさんソロステージ!
セラ:別にソロステージでもかまわないけどね! さっき一人出られなかったしね!
セラ:コネクションの温存という意味でも
GM:あー、一応ディエン邸に入った時点で、ホロさんが離れてもティアナの安全に問題はないとは言っておきます。気持ちはまた別かもしれませんが。
ホロ:それじゃフラグが!
ワッカ:とりあえず素振りで挑戦してみます~。
GM:おいでおいでー。クリスかティアナのコネを使っておいでおいでー。
アールゥ:ここでセラ殿と合流という意味も込めて……(笑)
ワッカ:姫様のコネで+いくらですか?
GM:ああ、ホロさんはティアナの方しか持ってませんでしたね。階層差のペナルティは-2ですが、ティアナが登場しているわけではないのでコネでのボーナスはありません。
GM:れっつ幸運判定!
レンハ:ホロ君とセラ君ならきっとなんとかしてくれるさ……と独りごちる。
セラ:素で行くとすると、2d6+【幸運】-2かな。目標10。
ワッカ:2d6-2+2 フェイト温存しておきたい気持ちが多分にある。
Dice:2d6-2+2 = (2d6:1+1=2)-2+2 = [2]
GM:……。
ワッカ:ふふ。
GM:荒れておる……ホロさんのダイスが荒れに荒れておるぞよ……
アールゥ:ワッカで振るからですよ
ホロ:ダイスが離れたくないと言ってました。
ホロ:このダイス6が重い!!
GM:では、セラさんのみですね。
セラ:みんな、骨は拾ってね。
* * *
GM:その日、幻竜騎士団本部では、一人の男の取り調べが行なわれていました。
セラ:これでも私は元・幻竜騎士団の一員でね……。
GM:容疑は大神官暗殺未遂および、過去に王都で起きた不審死事件との関連。
GM:男の身元が判明するのには、苦労することが予測されましたが……聞き込みを行なっていた騎士が、第七層で興行を行なっていた奇術師から有力な情報を得ることに成功しました。
GM:――男の名は、コルヴディム・ミゼロブと言います。
レンハ:謎の奇術師……一体何者なんだ
GM:というわけでセラさんは、コルヴディムが取り調べられている隣の部屋へと連れてこられました。
GM:壁にはクリアウォールがはめこまれており、隣の様子をうかがうことができます。そこには今、すっかりやつれて虚ろな瞳をしたコルヴディムが椅子に座らされています。
幻竜騎士:「どうだ、間違いないか?」 騎士というより密偵のような切れる風貌をした幻竜騎士団員が訊いてきます。
セラ:ふむ…… と考え込んでから……
セラ:「斬新なイメチェンね」
幻竜騎士:「……そうか。」 大丈夫なのかこいつなんて感想はおくびにも出しません。訓練されてます。
GM:解説:幻竜騎士団は近衛騎士という表の顔の他にも、特殊部隊っぽい人たちを抱えているんだよ!
アールゥ:ファントムレイ(略)
セラ:「今の、突っ込むところ。彼は、話せるの?」
幻竜騎士:「昨日からああだ。食事も機械的に口に運ぶだけで、感情というものがまるで感じられない。」
GM:しばらく取り調べの様子を見させられますが、コルヴディムはどんな脅しにも動じず、一言も喋ろうとはしません。
セラ:「任せて、彼の弱みなら一通り網羅してる」
幻竜騎士:「よし任せた」
GM:……という冗談はさておき、取り調べが進まないことに業を煮やした騎士は、本当にあなたをコルヴディムと会わせてみることにしたようです。
GM:念のためにということで武装は全部没収されますが……何本ナイフ持ってるんだこいつ!?
GM:(※第三話参照。セラさんは全身に大量のナイフを仕込んでいてそれを投げているという設定なのだ!)
セラ:「最近職業病が酷くてね」
幻竜騎士:「……。」 突っ込みません。黙々と仕事完了。
セラ:「じゃ、行ってきまーす。」 最後に一本、手の中からナイフをパッと出して騎士に渡す。
幻竜騎士:「!……まったく、食えない奴だ……」
GM:さすがセラさんだなあ。実にらしい。
GM:では、丸腰のセラさんは念のための護衛と共に、取調室へと通されました。
GM:椅子に座ったコルヴディムはなおも虚ろな目つきで、床の一点をぼうっと眺めています。
セラ:「や、久しぶり。元気?」
コルヴディム:「……。」 セラさんの方を見ようともしません。
GM:その髪をよく見ると、白いものが混ざっていることがわかります。まだ彼は二十代半ばだったはずですが……
セラ:「おーい」 目の前で手をぶんぶん振る。
コルヴディム:「……。」 まばたきすらしません。そもそも目の前の相手が誰だかわかっていないんじゃないでしょうか。
セラ:もう一本ナイフを取り出してどつく
幻竜騎士:奴を止めろ!
セラ:……んー? 何かここまででヒントとか、あったかな……?
GM:え、えーとですね……そもそもセラさん、まだ名乗ってすらいないんですが……
セラ:おお。名乗る習慣がないから忘れてたよ。
GM:あの山村の人たちとかティアナ姫とか偽侯爵とか結構名乗る機会はあった気もします!
セラ:「このセラさんを無視するとはいい度胸ね」 弱みノートと書かれたノートを取り出す
GM:では驚いたことに、その名を耳にしたコルヴディムがぴくりと反応して瞳だけを動かします。
コルヴディム:「……セ……ラ……?」
セラ:「む」 弱みノートが効いた! 中身白紙なのに!
GM:隣室や背後に控えた白竜騎士たちが少しだけざわりとしますが……どう続けます?
セラ:「そう、セラだよセラ。何やってんの? こんなとこで。」
コルヴディム:「ぼ……くは……」
コルヴディム:「殺……した……殺した……たくさん、死んだ……」 全身がわななき出します。
コルヴディム:「リド=エマルム……メルトランド……殺した、死んだ、殺した、死んだ、殺した! 死んだ! 殺した!」 段々と調子が上がっていきます。
GM:ここで解説。リド=エマルム地方争奪戦は、隣国メルトランドとの間で行なわれた戦争です。
セラ:ああ、戦争の話をしてるのね。
GM:メルトランドにはフュルドという皆兵制度があり、老若男女の区別なく戦場へと駆り出されます。
GM:無力な老人や女子供に扮しての不意打ちなどに対抗するため、グラスウェルズは、老若男女の区別なき皆殺しを以て応じたとされています。
コルヴディム:「殺した! 死んだ! 殺した! 死んだ!……殺した……死んだ……」 ぐったりとして、再び沈黙します。
ワッカ:かゆい……うま……。
アールゥ:アンデット化してしまいましたね……ワッカが(ぇ)
セラ:「……もうちょっと続けたほうがいい? 面白くなってきた」
GM:不謹慎な発言に、さしもの幻竜騎士も眉をひそめます。
セラ:「ジョークジョーク」 一応フォローしとこう。
ワッカ:その発言がすでにセラ、いやKY
幻竜騎士:「……ベルク大神官の暗殺は誰の指示によるものか、訊いてくれ。」 耳打ちしてきます。
セラ:「で、今回は誰に言われてやったの?」
コルヴディム:「……ぼく、は……」
コルヴディム:「ベルク大神官……殺す……ぼくは……“モルグイン”……」
コルヴディム:「アーゴニー様……命令……」
セラ:「……。(誰……?)」
幻竜騎士:「!」 隣室の幻竜騎士が報告に飛び出していきます。
コルヴディム:「ぼ……く……は……!」
コルヴディム:かっと目を見開くと、セラさんを突き飛ばして頭を押さえてのたうち回り出します。
セラ:では、突き飛ばされてステンドグラスを突き破って退場します
GM:下が水場じゃなかったら死にそうですねそれ
幻竜騎士:「下がれ、様子がおかしい!」 前に出てセラさんをかばいますが、どうしますか?
レンハ:誰かサニティをっ
セラ:「いたた……。」
セラ:どうしようかなぁ。丸腰だからなあ(ナイフを取り出しつつ)
GM:すごーい、まるで錬金術みたーい
セラ:「じゃ、任せていい? 私、連日お仕事で疲れてるんだよねー」
GM:それにしてもこの奇術師、ドライである。では、幻竜騎士が務めを果たすべく、コルヴディムへと近づくと……
コルヴディム:「ぼくは……死――!」
GM:カッ!
GM:コルヴディムの肉体が、音を立てて爆ぜました。
セラ:うそっ、自爆缶!
GM:幻竜騎士の身体検査では、そんなものは見つかっていません。それにこれは、まるで体内からはじけ飛んだかのようです。
幻竜騎士:「くっ!」 身を挺してセラさんをかばった彼に、コルヴディムの残骸が降り注ぎます。
セラ:「……え、っ……。」 さすがにちょっと動揺するね。
セラ:「私の《バーストブレイク》の威力がこんなに上がっていただなんて……」
GM:そしてこのギャグである
セラ:任せて(おい)
GM:こうして、ベルク大神官を狙った虚無の暗殺者は、あまりにも奇妙で、壮絶な死を遂げました。
GM:シーンを終了します。
○ミドル・シーン13――レンハ
レンハ:登場した。
GM:舞台は夜のディエン邸。アールゥさんとホロさんも登場してください。
アールゥ:わかりました
GM:ルカ=ディエン伯にこれまでの情報を報告するよう求められますが、全部伝えていいですか?
レンハ:ホロ君から事情は聞いているのだろうし、隠す理由もない。伝えよう。
GM:で、特にホロさんは例の情報を全員で共有するかどうか決めてください。あ、伝わってる?
レンハ:おっと、そこは任せる。
ホロ:しますします。ティアナ姫と相談して、皆に伝えたということで。
ワッカ:……。
GM:いい心がけですね。
GM:では、さしものルカ=ディエン伯も目を見開いて息をのみ、それから深く嘆息します。
ルカ=ディエン:「王が、モルグインと……そうか……」
レンハ:「なんという……」 あのとき拝見した姿はなんだったのか。
アールゥ:「……」
ルカ=ディエン:「昨日の事件の犯人が変死したという話は聞いておるな。そ奴の裏にはモルグインが関わっていることが確認され、勅命を受けた幻竜騎士団による組織の狩り出しが始まったということだ。」
ルカ=ディエン:「迅速かつ果断な動きと思ったが……どうやらこれには、王宮と組織の関係を隠ぺいする目的もあるのやもしれぬ……」
レンハ:そうだとすると、なぜ今になって?
GM:理由は簡単です。モルグインはこれまで、一度も歴史の表に出たことがありませんでした。
GM:組織の構成員が捕まり、組織の存在が表ざたになるような失敗はこれまでにただの一度、昨日のベルク大神官暗殺未遂だけです。
アールゥ:存在が明るみになってきたのでトカゲの尻尾切りですか
GM:できるメイドさんが的確にまとめてくれました。そういうことです。
レンハ:納得した。
GM:ルカ=ディエン伯は考え込んだ末に、珍しく迷いをにじませてレンハさんに問いかけます。
ルカ=ディエン:「モルグインのアジトは、一両日中にも明らかになるであろう。そのとき……レンハよ、お前はどうする?」
ルカ=ディエン:「モルグインを壊滅させ、すべてを闇に葬るか? 王宮と暗殺組織を繋いでいた者を探し出し、そ奴を捕らえるか?」
ルカ=ディエン:「それとも……それとも、……。」 最後の一つは、さすがに口に出せません。
ホロ:「どっちを選んでも辛い選択ですね。」
レンハ:モルグインを壊滅させれば、それで事件は解決したことになるのか……
GM:あれだけ成功率の高い手駒はそうは容易できないでしょうし、暗殺や不審死は一気に減ることになるでしょうね。クリスやティアナ、ベルク大神官の身の安全も保障されるでしょう。
レンハ:あるいは暗殺組織と王宮を結ぶ者を探し出せば、その人物が黒幕ということになり……
GM:さすがもうすぐ伯爵になる男、鋭いですね。ええ、その人物がスケープゴートにされることでしょう。
レンハ:そして、例の一説が正しいとするならば……ということだ。
GM:ともあれ、今夜のうちに結論を出す必要はありません。モルグインのアジトが発見され、組織が壊滅するまでが、何らかの行動を起こすタイムリミットとなります。
セラ:「あー、今日はびっくりした、ぐう」
レンハ:「……今しばらく、時間をください。」
ルカ=ディエン:「うむ……今日のところは、皆下がるように……一晩、ゆっくり考えることにしよう……」 疲れ切った様子でそう言います。
レンハ:気持ちは同じだった。目先だけを考えるなら、モルグインの壊滅を待つのが一番なのだろうな……。
GM:では、一日の終わりとともにシーンを終了しましょう。
GM:今夜の回復量は、第四層・ディエン邸のレンハさんたち三人が…… 6d6,6d6
Dice:6d6 = (6d6:3+4+6+3+4+3=23) = [23]
Dice:6d6 = (6d6:5+6+6+3+3+2=25) = [25]
GM:わお。HP23点、MP25点です。
レンハ:もともと全快していた。
アールゥ:これで完全回復ですね
GM:そして、重要参考人として第二層・幻竜騎士団本部に留め置かれているセラさんが…… 8d6,8d6
Dice:8d6 = (8d6:4+5+3+4+1+3+3+4=27) = [27]
Dice:8d6 = (8d6:6+3+2+6+5+6+1+3=32) = [32]
GM:HP27点、MP32点の回復です。
セラ:ええー、帰してよー。全快。
GM:では、次のシーンへ。
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