○ミドルフェイズ・シーン1――アールゥ
GM:晩餐会の翌日、領主とその息、それに姫君二人を交えた会談のシーンです。給仕も一番信の置ける人物をご用意。
GM:というわけで、シーンプレイヤーはアールゥさんですが、レンハさんも登場です。
GM:なお、その場には先の五人しかいませんが、部屋の周囲ではロイヤルガードを中心として、騎士たちが護りを固めています。
セラ:もちろん私もその中に
レンハ:!?
GM:はえーよ!(戻るのが)
GM:ちなみに馬での進行速度は徒歩の倍に設定されてるので、セラさんは来た道を六時間かけて戻ることになります。途中で日が落ちてしまうので、シャンパーへの到着は翌朝ですね。
セラ:うああああ《ランナップ》《ダッシュアタック》うああああ
アールゥ:では紅茶などを皆様に入れて……一通り終えたら邪魔にならないところで立ってます。
GM:はい。紅茶が行き渡ったところで、室内の顔ぶれを見渡し、本題の口火を切ったのはルカ=ディエン伯でした。
ルカ=ディエン:「では、此度の……レンハと、“クリスティアナ”様との婚姻についての話を始めよう。」
クリス&ティアナ:『はい。』
レンハ:「……はい。」
ワッカ:「これでライバル二人消え~」
クリス:言葉を重ねてしまった二人は顔を見合わせて微笑みを交わし、その後でクリスが口を開きます。
クリス:「はじめに、レンハ様にはお詫びしておかなければなりません。……今回の婚姻は、私たちの身勝手による、純然たる政略結婚なのです。」
ティアナ:「ですのでまずは、私たちの事情からお話ししましょう。」
GM:二人で一人の姫君を演じることが、暗殺を回避するための方策ということは以前にお話ししました。これは一種の影武者のようなものなのですが、「どちらも本物である」というのがポイントです。
GM:つまり一人を消しても、もう一人がその悲劇を武器に、より強大な派閥を築いてしまうことになりかねません。
GM:暗殺は邪魔な勢力を排除するために行なわれるものですから、これでは殺した意味がないどころか逆効果で、更に自分の側に殺人の嫌疑だけが残ってしまいます。
レンハ:ふむ……。
GM:こういった問題を回避するには、二人を同時に消すことが必要になるわけですが……それを阻止するために、二人は普段から別々の場所で暮らし、暗殺の難易度とリスクを高め、自分たちの身を守っていました。
GM:若干ややこしい話ですが、ここまで大丈夫ですか?
アールゥ:なるほど。
レンハ:ある程度は理解できた。
ティアナ:「今まではそれでよかったのですが……問題となったのはお兄様、エグベルト王の南征以降のことです。」
ルカ=ディエン:「……レンハ、その理由がわかるか?」
GM:試すように問いかけてきます。
レンハ:南征以降……。
GM:第二話で少し触れましたが、南のリド・エマルム地方を巡った領土戦争の一件です。国王エグベルトはみずから最前線に立ち、剣を振るったと言われています。
レンハ:つまり物騒な言い方だが、「二人を同時に消す」ということが可能になってしまう……ということなんだろうが……
GM:大体正解ですね。その様子を見て、ルカ=ディエン伯が解説します。
ルカ=ディエン:「――国王自ら前線に立つとなれば、近衛騎士もそちらに人手を割かざるを得ない。今までのように、お二方を別々に護衛するのが難しくなった、ということですな。」
GM:伯爵の言葉に、姫君たちは黙って目を伏せます。その手の中には、空になったティーカップが小さく収まっています。
セラ:何かちょっと不思議な話ですね。ううーん
レンハ:なるほど。となると、護衛の手が足りないので、それを補うために、ということか?
GM:そういう魂胆ではありますね。説明を続けましょう。
レンハ:この状況、果たして試されているのはレンハなのか否か。
GM:護衛人数の都合上、やむなく一緒に暮らすことになった二人ですが……エグベルト王の南征が成功に終わったことで、武家の出世に焦った者たちが、再び姫君の暗殺を試み始めます。
GM:国王不在の王都に留まり続けるのは危険と判断し、姫君たちは王都を脱出。しかし、王都ベルクシーレと旧王都ベルク以外知らない二人には、行くあてなどありません。
アールゥ:「紅茶のおかわりはいかかですか?姫様方」(と、落ち着けるハーブティーを)
クリス&ティアナ:『ありがとうございます、アールゥさん。』
セラ:えっ毒殺?(おい)
GM:!?
アールゥ:ナンノコトデスカ?
アールゥ:セラ殿とホロ殿を敵に回すような事はしませんよ?
セラ:それ以外の色んなものが敵に回る気がします
ワッカ:「わたしはみかただよ? あーるぅ」
GM:妖精ェ……(笑)
クリス:「――そこで思い出したのが、赤竜伯のことでした。私心なきお方で、私たちの生まれる前に王都を離れられたと聞いていました。」
ティアナ:「ゴートの領主を長く務めらており、王都の権謀からも遠く、信用のおける方であろうと……それが合っていたことは、実際にお会いしてみてわかりました。」
ルカ=ディエン:「恐悦至極。」 社交辞令とは取らず、真面目に応じます。
ティアナ:「そして、思ったのです。……私たちのうちどちらか一方を、この地でずっと守ってはいただけないものかと。」
GM:しばしの沈黙を経て、再びルカ=ディエン伯が口を開きます。
ルカ=ディエン:「レンハよ、事情は飲み込めたな?」
レンハ:態々シャンパーまで足を伸ばされたのはそういう理由なんだな。
GM:王都から地理的には最も近く、政治的には最も遠いともいえる辺境ですからね。
レンハ:「粗方ですが、承知致しました。」
ルカ=ディエン:「此度の婚姻には、斯様な事情がある。其処でお前には……」
クリス:「レンハ様には是非、私たちのうちどちらかを伴侶としてお選びいただきたいのです。」
GM:そう言って、二人の姫君からは熱の篭もった視線が送られてきます。……ただまあ残念なことに、その熱は“情熱”ではないんですが。
セラ(ワッカ):「レンハ殿が渋るのであればこの私が!」 とかいってみたり。
GM:不毛だわ!
GM:なお、選ばれなかった方の姫君は王都に戻り、これまで王都の貴族内では公然の秘密であった双子の件をはっきりと公言してしまうことで、以後の暗殺を牽制する予定です。
レンハ:つまり、ある意味でどちらかを見捨てることになるのか。
GM:そうでもないですよ。もう一人が辺境で護られているということで、王都にいる側を暗殺する意味も薄くなりますから。
ワッカ:ええい、いっそのことふたりともメトっちゃいなよ! 色々心配事が無くなってそのほうがいいよ
GM:そんな欲張りなー!?
レンハ:それ欲張りな上に無意味じゃないか!
ワッカ:「男なら女の子の一人や二人まもっちゃえYO!」(正論っぽい暴言)
GM:ああうんそれは騎士の本懐ではあるでしょうけど!(笑)
ワッカ:「あ、ご主人様はダメだから! 私一人しか守れないから!」
セラ:う、うーん……考えれば考えるほど不思議な話に思えてきた……
GM:一見もっともらしく見えるようでいて色々と穴のある話かもしれません。いやあ、私も権謀術数とか不慣れでして。
セラ:それに慣れてる人はいろいろと怖いと思うな
レンハ:←理系で社会科赤点
レンハ:ううむ。お一方は護ることを約束するが、もうお一方は必ずしもそうでない、というイメージがどうしても。
GM:逆に考えるんだ。一方を護ることこそが、何よりももう一方を護ることになると考えるんだ。
アールゥ:権力に固執しないなら継承権とかを王家に返してしまえば……って、それでも狙う輩はいるか……
ワッカ:男はいつも勝手よね! ほらほら~、ツンなお姫様もデレなお姫様も守っちゃえよ、騎士だろ~?
セラ:ワッカにナイフを投げる(遠投)
ワッカ:大陸間弾道ナイフっ!
GM:ぴ、ピィスメイカァ……
ルカ=ディエン:「クリスティアナ様の願いを無碍にすることなどできませぬ。が、一昼夜で心を決めかねるのも仕方ないこと。」
ルカ=ディエン:「まこと面倒をおかけしますが、御二人にはこのまましばしご滞在いただき、レンハと話を重ねていただきたい。」
クリス&ティアナ:『はい、承知いたしました。』
ルカ=ディエン:「レンハよ、お前もよいな?」
レンハ:「有り難う御座います。私の都合で時間を取らせることになり、申し訳なく存じます。」
クリス:「いえ、そのような……」
ティアナ:「問題を持ち込んだのは私たちの方です。どうぞ時間をかけて、答えをお出し下さい。」
GM:というわけで、シーンを終了しましょう。いやあ、アールゥさんは名ばかりシーンプレイヤーですみませんね。
アールゥ:いえいえ。(笑) さすがに給仕ごときに口挟める問題じゃありませんので。(笑)
ワッカ:あとは若いふたり(三人か)に任せて……って奴か、やるな!
GM:こういうのは結局当事者ですよねー
ワッカ:だ よ ね ~?(満面の笑みで) 蚊帳の外でよかったよ~!
ワッカ:邪魔者のセラも居ない……ふたりきり……ゥヶヶ
GM:もう妖精じゃなくて妖怪じゃないかなこれ
ワッカ:かっぱとか?
レンハ:ワッカはどこへ行こうとしてるんだ……
GM:この世界、カッパも妖精なんですよね。天狗は霊獣なのに。
アールゥ:納豆小僧と呼んであげましょう<ワッカ
GM:よりによって!
ワッカ:今年は誰が死んで、誰が消えるのかしらねぇ
GM:……こほん。では、次のシーンへ。
○ミドル・シーン2――ホロケウ
ワッカ:「ふたりっきりですね! ごしゅじんさま!」
ホロ:「なんか悪い夢をみた気がしたよワッカ……。」
GM:半年以上ぶりの故郷に到着! というシーンです。朝に出て、休憩を挟みつつ五、六時間というところでしょうか。
セラ:つまり私はまだ歩いている
GM:歩いてるでしょうね。
ホロ:←歩いてるの?(笑)
GM:ああ、ホロさんは馬馬。
GM:日もまだ明るく、村に変わった様子はまったくありません。
村人:「おや、ホロかい?」「おお、お帰り!」「早く先生に顔見せてやりな!」 と、出会った村人たちは親しげに言葉をかけてくれます。
ホロ:「はいっ! お久しぶりです」とかなんとか。
GM:と、そこまでは嗚呼懐かしき故郷よ、というだけの話で済むんですが……
GM:十年を暮らしてきた小屋に帰り着くと、そこには人の気配がありません。
ホロ:「あれ……?」
ホロ:と、違和感を感じつつも家に入ってみる。
ホロ:まさか、いきなり襲われることはないだろうと……。村中だし。
GM:もんすたー さぷらいずど ゆう
ホロ:てぃるとうぇいと
GM:被爆しちゃうからやめて!
GM:室内はもぬけの殻です。家具や身の回りのものはそのままに、師匠の姿だけがありません。
GM:なお、埃が溜まっていたり、蜘蛛の巣がかかっていたりということもありません。単に出かけているのかもしれませんが……
ホロ:「出かけてるのかな?」
ワッカ:「二人っきりですね!」
GM:と、そこで、戸口の方から懐かしい声がかかります。
GM:残念だったなァ
ケリィ:「おーい、センセーいるー?」
ホロ:「(ケリィ?)」
ホロ:「ケリィ! 久しぶり!」
ケリィ:「うおっ、……ホロ!?」
GM:一瞬驚きますが、すぐに嬉しそうな顔でホロさんをべしべし叩きます。
ケリィ:「なんだよー、帰ってくるんなら連絡くらい入れろよー。」 べしべし。
ホロ:「いろいろあってね」とか言ったりして。
ケリィの弟:「ぐすっ、ひくっ、……ホロおぉぉぉ……」 と、連れられてきていた小さな弟も泣き笑いの表情に。
セラ:そんなのいたんだ、生えた?
ワッカ:生えたって(笑)セラじゃあるまいし!^^
GM:弟たちにちゃんと食べさせたくて盗みを働こうとした子ですからね!
ケリィ:「センセーは? いないのか?」
ホロ:「そういえばお師匠様はどこ行ったのかな?」
ホロ:とかかぶってみたり。
ケリィ:「んー、どっか行くって話は聞いてないけど……山にでも出かけてるんじゃないか。」
ケリィ:「じゃ、お前でいいや。あのな……」 と、耳打ちをはじめます。
ケリィ:(ひそひそ)「あのさ、なんか適当な薬草とかでいいからさ、こいつに飲ませてやってくんないか?」
ホロ:(ひそひそ)「何々どうしたの?」
ケリィ:(ひそひそ)「実はな、こいつが昨日の夜中に“馬車の音が聞こえた”とかいって騒いでさ。」
ケリィ:(ひそひそ)「それでつい『きっとデュラハンだな、お前に死の宣告をしにきたんだー』とかおどかしちゃったんだよ。そしたら泣き止まなくなっちゃってさ……」
ケリィ:(ひそひそ)「気休めでいいから、デュラハンが来なくなる薬とか言ってなんか出してやってくれ。頼む、このとーり!」
GM:と言って、手を合わせて頭を下げます。要するにプラシーボ効果をお願いしたいと。
ワッカ:「あ、ほんとだ! 頭の上でカウントダウンしてるよ(ケラケラ)」
GM:うわあああああ
セラ:「いくら出す?」
ホロ:(ひそひそ)「わかったよ、なにか探してみるよ」
ケリィの弟:「ぐすっ、うぐっ……」 ほっとかれてめそめそしっぱなし。
ワッカ:「この~あんまり泣いてたら妖怪めそめそさんになっちゃうぞ~?」
ケリィ:「余計におどかしてどーするんだよっ!?」 びしぃ、とワッカに突っ込みを入れます。
ホロ:「ワッカ、あんまりいじめない。もう大丈夫だよ、この薬を飲んで」とか適当に何か飲ませます。砂糖とか。
ケリィの弟:「あまーい……」
ケリィ:「よーしこれでもうデュラハンなんかへっちゃらだぞ! よかったな!」
ケリィの弟:「う、うん……ホロ、ありがとー。」
ホロ:「いえいえ。」
ケリィ:「よーし、泣き止んだところで遊びに行くか。ホロも来るか?」 弟を肩車してやりながら。
ホロ:どうしようかな……。
ホロ:お師匠様を待つのも手だけど出先で出会えるかもしれないし。
ワッカ:「ご主人様! 私が食事の支度とかしながらお留守番してますから遊びに行ってください!」
GM:急に優秀なファミリアに見えてきました。さすがはワッカ、伊達にメイド服は着てないですね。
ホロ:そんなわけでワッカを置いて付いていきます。
GM:はーい。では、シーンを終了します。
ワッカ:えーと、ほれ薬ほれ薬……ど・こ・だ・った・か・な
GM:やっぱりワッカだった
セラ:プラシーボ効果ァアアーッ
アールゥ:そして帰ってきたら血まみれのワッカが(ぇ)
GM:それは……気の毒に……
ワッカ:ダイイングメッセージ:「セラが……」
レンハ:嗚呼無常……
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