○オープニングフェイズ・シーン1:桜の咲く頃に――大神
GM:まずは大神さんの回想シーンから。侵蝕率の上昇をどうぞ。
大神:1d10 登場と侵蝕。
Dice:1d10 = 1 (1d10: 1) = [1] (侵蝕率:32→33)
GM:――それは3年前、ある春の夜のこと。
GM:あなたは幼なじみの水城美香(みなしろ・みか)とたった二人で、“桜の主”を見に来ていました。
GM:当時の彼女は髪も短く、その活発的な性格と相まって、あなたにとっては男友達のような存在だったかもしれません。
大神:ふむふむ。幼なじみだと関係が近すぎて恋愛に発展しないってよくある話だよな……(遠い目)
GM:その夜も彼女は「どうしても夜桜を見たい」と言って、夜の公園へと無理やりあなたを連れ出してきています。
白崎:フラグが見えます
櫓:鮮血の結末的な?
GM:朧月の照らす夜道。寝静まる家々を起こさないようにと、二人は息を潜めて歩き……いつもより余計に時間をかけて、やっとお目当てのN市中央公園に到着しました。
美香:「ほら! 桜がきれいだよ、守!」
大神:「おー。夜桜ってのもたまにはいいな」 うん、3年前から変わってないな。たぶん。
GM:親にも黙ってこっそり抜け出してきた甲斐があったのか、公園には二人の他には誰もいません。
櫓:ここで登場判定したら三年前にあってることになるのかすら
GM:オープニングは基本的に登場不可!
櫓:残念(´・ω・`)
GM:美香は、この公園のシンボル“桜の主”に駆け寄ります。大きな古木はちょうどその年、何年ぶりかに花を咲かせていました。
美香:「……よかった。今年はちゃんと咲いてくれたんだ。」 黒い木肌にそっと触れながら、嬉しそうに呟きます。
美香:「去年もその前も咲かなかったから、桜の主が花を咲かせるの、最後まで見られないかと思ってた。」
GM:と、彼女は意味深な呟きを漏らします。
櫓:最後……
大神:「最後? どっか行くのか」
GM:すると美香は、桜の主に触れた手をぐっと握って、大神の方に振り返ります。
美香:「……実は私、明日引っ越すんだ。行き先は地方だから、簡単に会えなくなる。」
GM:3年前ですから二人とも15歳。彼女は親の仕事の関係などで、地方の高校に進学することになった……ということで。
大神:「へー……明日!? おいおい、聞いてないぞ?」 水くさいじゃないか。
美香:「本当は早くに言いたかったけど、湿っぽいのは嫌だなって。そう思うと言いそびれちゃって……」
GM:少しうつむき加減ではありますが、美香の言葉は意外とさばけています。お別れは仕方のないことだと、既に見切りをつけているようですね。
GM:こういう割り切りの早さも、彼女の男らしい性格の一面です。
美香:「他の友達とかには、結局最後まで言えなかったけど……でも、守にはちゃんと、このことを言っておきたかったんだ。」
GM:ふう、と一息つくと、美香はすっきりした顔で桜の主の枝を見上げます。
大神:「はぁ……なんつーか、らしいなぁ。」 髪をがしがし。
櫓:思い出に桜の主を引っこ抜いてプレゼントするんですね。わかります。
大神:待て待て待て
GM:台無しよーっ!
白崎:問題はまだ大神くんはオーヴァードじゃないってことですね
※言うまでもないことだが、問題はそこではない。
美香:「そんなわけだから、元気にやってくように。守も、桜の主も。」
大神:「はは。お前もな。」 お別れの握手でもしておこうか。
GM:では、握手を交わして。
美香:「守と“桜の主”にお別れできて、本当によかった。私、今日のこと、絶対忘れない……」
GM:その言葉に応えるように、さあっ、と風が吹いて、桜の花が散り始めました。
GM:薄紅色の花びらがあなたの視界を覆い尽くし、そして――
* * *
真花:「――君、大神君ってば!」
大神:「みッ」
GM:あなたの意識は、現在へと引き戻されました。
真花:「もう、考え事でもしてたの?」 隣を歩く同級生にしてあなたの想い人、綾瀬真花(あやせ・まなか)は頬を膨らませます。
大神:えっ歩きながら!?
櫓:ていうか「みッ」って……
白崎:電柱に頭ぶつけて現実に引き戻されたりするんですね(べた)
櫓:ああいうのいたいよね
GM:春うららか。休日に二人揃って出歩くとかこれはもしかしていやまさか大神さんに限ってそんなねえ?
大神:「ああいや、ちょっとな。そういや綾瀬、“主”って知ってるか?」
大神:(ぶつけた鼻を押さえながら)
真花:「主って……公園の桜の老樹でしょ? N市の人なら誰でも知ってるに決まってるよ。」 ふふーん、と小さく胸を張ったり。
櫓:小さな胸に見えて色々ごめんなさい
GM:基本ルールブックのイラストを見る限りでは意外と……いえなんでもありません。
大神:「じゃあ物知りな綾瀬に質問ー。今年の桜の主って花咲いてたっけ?」
真花:「……って、うわあ! アルバイトの時間!」
GM:と、真花は腕時計を見て、慌てた声を上げて駆け出します。
櫓:その間三秒。リアルタイム
大神:おのれバイトめ……
真花:「ごめんね大神君、また今度!」 質問にかぶさってしまった。彼女は大きく手を振って去っていきます。
GM:そうして一人残された大神さんの下に、桜の花びらが流れてきます。中央公園はすぐそこですし、自分の目で確かめてみるのもいいかもしれません。
大神:「ちぇ、仕方ねーな。一人で見に行くか。」 ぶすくれ。
GM:では、公園へと足を運ぶと。
GM:……あの夜から3年。今日この日に至るまで、美香からの連絡はまったくありません。
GM:美香とあなたを繋いでいるものといえば、あれ以来花を咲かせなくなった桜の主だけです。
大神:俺の方も久々に思い出したって感じだろうし。3年は長い。
GM:公園にたどり着くと、明日にでも満開になりそうな桜の木々が目に入ります。
櫓:お花見に、三色だんご、桜餅、葛餅にいもようかん、雪見だいふくはいかがすかー
GM:ですが、桜の主の枝だけは相変わらず寂しく……って、おや?
大神:あれは……櫓さん?
GM:違う!(笑) なんと、桜の主の枝に誰かが座っています。
白崎:「あ……おだんご、ください」
櫓:「はいよー。まいどありーぃ」
GM:枝に腰掛けているのは、大神さんと同じ年頃の少女でしょうか。髪は頬にかかるくらいのショートカットで、活発そうな印象です。よって下もパンツルックなので安心してください。
大神:はは、まさかショートカットでボーイッシュな女子高生じゃあ……あれ?
大神:俺はピュアだからそんな下心なんてあるわけない
GM:ピュアブリード……(笑)
GM:3年ぶりですが、あなたが見間違えることはありません。水城美香です。
大神:おお……? 「美香……だよな? おーい。」 と声をかけてみよう。
美香:「……えっ?」 樹上の少女は、大神さんを見つけると目を見張ります。
美香:「もしかして守? ひっさしぶりじゃない!」
GM:彼女は慌てた様子で枝から身を乗り出すと、そのまま危なげなく着地しました。
大神:「なんだ、戻ってきてたのか? びっくりした。」
美香:「ええと……近くに来ることがあったから、ちょっと寄ったの。」 と、少し目をそらしながら。
美香:「やだな、この歳で木登りなんて、恥ずかしいトコ見られちゃったなあ。」 照れくさそうに舌を出しながらも、手を差し出して再会の握手を求めます。
大神:がっしと握手に答えよう。 「ハハハ、変わってねーなぁ。」
美香:「それはお互い様でしょ。……懐かしいな。ね、3年前のこと、覚えてる?」
ヒゲ屋台主:「ハイ、そこのお二人さん。カップルサービスでお安くするアルヨ
GM:ヒゲだったのか櫓ん
櫓:変装変装
美香:「あの時の桜、きれいだったなあ……」
GM:そう言って彼女は桜の主の枝を見上げますが、その表情にはどこか陰りがあるように見えます。
大神:「懐かしい……もう3年前か。」 なぜだかついさっきの出来事のように思い出せるぜ!
GM:ははは。なんで回想シーンと現在のシーンを同一にまとめちゃうんでしょうね。
大神:「今年は咲かないか、やっぱり」 陰りの意味を勘違いしておこう。
美香:「うん。聞いたんだけど、桜の主って、あの年から花を咲かせてないんだってね。」
美香:「もう、見られないのかな。この木の桜の花……きれいだったのになぁ。」
GM:そして彼女は、囁くような声音で……
美香:「もう一度だけ、もう一度だけ見ることができれば……私は、それで……」
大神:「?」 何か言ったか、くらいに捉えとこ。
白崎:轟くような
櫓:でけえ
GM:「もう一度だけ! もう一度だけ見ることができればッッッ!」
大神:何事だ
櫓:いきなりクライマックスだッ
GM:と、美香の懐から軽妙な電子音が流れ始めます。
GM:美香は大神さんにごめんと断って携帯電話を取り出し、
美香:「もしもし。……はい、わかりました。」 と、ほんの二言三言で通話を終えます。
美香:「……ごめん守、用事入っちゃった。」 携帯をしまいながら、目を合わせずに言います。
大神:「そか。おじさんとおばさんにもよろしく言っといてくれよ。」
美香:「……うん。じゃ、また……」 と、彼女は目を合わせないまま、公園の出口へと走っていき……
美香:「……守!」 去り際に声を張り上げます。
大神:「お? どした」
GM:ためらうような沈黙の後、背中越しに告げられた言葉は……
美香:「すぐにこの街から離れて。」
GM:……という、警告でした。
大神:「あ……?」 どういうこっちゃ。
白崎:ただちに影響はないので大丈夫です
櫓:隠蔽体質ェ…
GM:そして彼女は、それ以上何も言わずに去っていく……というところで、シーンを終了します。
大神:「おい、美香!」 って言いながら追いかけるもすぐに見失うっていうアレだな!
GM:ソレです。最後に、美香へのロイスを結んでください。
大神:懐旧/悔悟のポジで取る。懐かしいが俺はもう変わっちまったよ色々と。
GM:では、次のシーンに移りましょう。
○オープニング・シーン2:襲撃――白崎
GM:お次は白崎さん、登場と侵蝕率の上昇をどうぞ。
白崎:1d10
Dice:1d10 = 9 (1d10: 9) = [9] (侵蝕率:34→43)
白崎:飛ばしてますね。
櫓:レネゲイド活性化だんごのお味はいかがだったかな
GM:シーンの舞台はN市ではなく、その隣街・H市です。この街にFHの研究施設が存在するという情報を得て、白崎さんは他のエージェントと共に、調査任務にあたっていました。
白崎:よかった他のエージェントがいる
GM:調査だけなら白崎さんでもできるんでしょうけど、ねえ……(元のシナリオ見つつ)
GM:綿密な調査の結果、施設の場所と合わせて、そこにはFHが研究中のレネゲイド活性剤“αトランス”が貯蔵されているということを突き止めました。
GM:もしかしてこの薬添加した?
櫓:何というタイムリー……
GM:で、この薬がばら撒かれでもしたら大変なことになります。速やかに事態を収拾すべく、調査メンバーはそのまま、施設を襲撃する任務へと駆り出されることになりました。
UGNエージェント:「――作戦、開始!」
GM:号令の下、UGNエージェントたちによる研究施設への強襲が開始されます。
櫓:「おい、やつらが来るぞ! 早く逃げろ!」
白崎:恐怖ですみっこのほうで震えています
GM:こういうときに戦力の中核を担うのはUGNチルドレンと相場が決まっています。ほら白崎さんも頑張って!
白崎:職務は大事ですよね! 片っ端から睨みますよ!
白崎:画面のすみっこから
櫓:射程無限の放射型マップ兵器ですね
GM:では、原始的な恐怖に身をすくませながらも、施設の関係者たちは果敢に反撃してきます。
GM:白崎さんに向けても、銃弾が雨あられと降り注ぎかけますが……そのことごとくを、銀色にきらめく砂のような粒子が叩き落していきます。
明日香:「ここは私が。あなたは急いで、αトランスを確保して。」
GM:あなたと同じUGNチルドレンの一人、白銀明日香(しろがね・あすか)はそう言いつつ、モルフェウスの“砂”を操って相手の足を石化させていきます。
白崎:「……うん。」 明日香久しぶり!
櫓:自らの意思で石化してるので効果が無い
GM:双子は魔術師の村に帰れ
白崎:で、αトランスはどこにあるんですかね《インスピレーション》(えっ)
GM:調査の結果から、施設の最深部に収容されていると思われます。
白崎:流石に《ディメンジョンゲート》は使えないと思うので、すみやかにがんばって向かう方向で。怖いけど。
GM:では、人員が迎撃に出払っているためか、誰にも出くわさずに施設の最深部へとたどり着きます。
GM:果たしてそこに待ち受けていたのは……空の冷却ケースを前に佇む、一人の少女でした。これまでの調査によれば、彼女もFHエージェントの一人です。
GM:少女――コードネーム“レインボウスネーク”はアタッシュケースを抱え、武器も構えずにあなたをじっと見つめているだけです。
白崎:「……あ、う」 ちょっとたじろぐけど頑張る! 敵なのは分かるから睨んで……ああっ攻撃できない!(えっ)
GM:それに対して“レインボウスネーク”は、手で白崎さんを制し、静かに口を開きます。
“レインボウスネーク”:「……やめよう。私たちが戦う意味はない。」
“レインボウスネーク”:「この研究施設はもうおしまい。UGNが施設を破壊し、私がこれを持ち去る。」 と、アタッシュケースを持ち上げて示します。
“レインボウスネーク”:「それで、終わり。あなたの……あなたたちの勝ちでいいわ。」
白崎:「……それ……αトランス? もしそうなら、私はあなたを逃がすわけには……いかない」 内心怖いけどがんばる
GM:“レインボウスネーク”は肯定も否定もせず、静かな調子で言葉を連ねます。
“レインボウスネーク”:「私はもう少ししたら、この世界から消える。だから、戦う意味はないのよ。」
“レインボウスネーク”:「私には、どこにも逃げる場所はないから――」
GM:その表情に、どこか助けを求めるような色が浮かんだかと思うと……脱出用の機能が作動し、“レインボウスネーク”の姿は突然開いた床へと消えていきます。《瞬間退場》。
白崎:「……それって、どういう……」 あ、逃げられた。
櫓:地獄のたこ焼き
GM:直後、UGNの端末を介して通信が入ります。
明日香:『“臆する死神”、帰還命令が出たわ。』
白崎:「……あ、うん……。今、戻ります……。」 腑に落ちないなー。
白崎:どうでもいいけど明日香のコードネームってなんだったっけ
GM:『World End Juvenile』のシナリオ中に記述がないんですよね。独断で“シルバーフェイス”としておきましょう。
白崎:やっほう
櫓:コンバット明日香
GM:なんだこの階段はぁ!?
GM:では、帰還するところでシーンを終了します。最後に、“レインボウスネーク”にロイスを結んでください。
白崎:同情/不安かなあ。うーんネガで。
GM:はい。では、次のシーンへ。
○オープニング・シーン3:調査の始まり――櫓
GM:最後のシーンは櫓さん。侵蝕率の上昇をどうぞ。
櫓:1d10
Dice:1d10 = 10 (1d10: 10) = [10] (侵蝕率:33→43)
櫓:「あー。まったく。何がだんごのレネゲイドに対する影響値が安全基準を超えてるから販売停止だちくしょう」
GM:K市の支部長に引き抜かれ、そちらで起きた事件が一応の決着を見た矢先の事。櫓さんは再び、N市の支部へと呼び戻されています。
GM:こちらの支部長室には17歳のうら若き乙女ではなく、三十路前の厳つい顔の男が待ち受けていました。
櫓:むしろどっちにしろこき使われるんだから大差ない気がするんだ。
GM:ははは、まったくですね。
櫓:「どもー。櫓帰還しましたー。」
玄樹:「久しいな。さっそくだが、景山一夜(かげやま・かずや)という人物についての調査を頼みたい。」
GM:開口一番、N市支部長“オブシダンホーク”玄樹巌(くろき・いわお)はそう告げました。
玄樹:「肩書きは科学者ということだが、どうやらFHのエージェントとして活動している形跡がある。」
玄樹:「景山は現在、N市で独自の研究を行なっている様子だ。彼が何を研究しようとしているのか、調査してくれ。」
玄樹:「もし彼がFHの活動に関与しているなら、速やかに対処しなければならん。頼んだぞ。」
GM:断る暇もなく、淡々と言い渡されます。
櫓:部下が上司や組織に対して申し立てできる権限なんて言ったかな
GM:下克上(違います)
櫓:「うへー。特別手当弾んでもらいますぜー。」
櫓:あっちの支部長さんケチっぽいし
玄樹:「考えておこう。」 にこりともせずに。
GM:ちなみに櫓さんが急遽呼び戻された理由についてですが、恐らく白崎さんも参加していた調査・襲撃任務に人員が割かれたためと思われます。
GM:負傷者も出たでしょうし、休ませる必要もあるので、他の支部に応援を要請した結果、N市支部のやり方を知っている櫓さんに白羽の矢が立ったと。
櫓:俺の休みは考慮されないのかっ
あっちの支部長:そんなん考慮する必要なんてないわ! それより任務よ任務!
GM:屋台引いてる元気があれば大丈夫
櫓:副職してないと生活費がね
大神:切実
玄樹:そういえばあちらの支部長にオルクスのピュアブリードだと言ったら変な顔をされた気がする。確かスズメがどうとか……
※UGN・N市支部の給料払いがどうなのかについては……謎。支部長の顔同様に渋いのかもしれない。
GM:では、シーンを終了しましょう。最後に景山一夜に対してロイスを結んでください。
櫓:じゃあ推奨の好奇心/脅威で。
GM:はーい。オープニングフェイズは以上、ミドルフェイズに移ります。
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