○オープニングフェイズ・シーン1:脱走者――櫓
GM:まずは櫓さんのシーンなので、登場して侵蝕率の上昇をどうぞ。なお、オープニングの間は基本的に、他のPCは登場不可です。
櫓:登場ー。 1d10
Dice:1d10 = 5 (1d10:5) = [5] (侵蝕率:33→38)
GM:場所はK市の繁華街、その片隅にあるひなびたゲームセンターです。最近から、K市支部の華表さんの下で働いている櫓さんにとって、このゲームセンターは息抜きの場となっています。
GM:店内には他の客どころか店員の姿もありません。並んでいる筐体も古ぼけた感じのものばかり。未だにス○Ⅱとかあったりして。
GM:ちなみに櫓さんならどんなゲームをしますか?
櫓:じゃあ主にプレイしてるのはガンシューティングにしよう。最高得点保持者。(ぉ)
GM:場末のゲームセンターに相応しくないほどの高得点がパネルに表示されている……(笑)
GM:では、今日も小銭と引き換えにささやかな満足感を得たところで、珍しく入り口の自動ドアが開く音がします。
GM:(ウィーン……ぱたんっ。ぱたんっ。ぱたんっ)
GM:続いて聞こえてきたのは、何やら軽い足音です。足音は店内をうろついているようですが……
櫓:「……ん?」 と気を向けつつもドカドカドカァ。(何)
GM:やがて足音の主は、櫓さんのいるアーケードゲームコーナーではなく、クレーンゲームなどが並んでいるあたりで立ち止まりました。
櫓:あのクレーン、人形の中に重りが入ってるって噂があったような
GM:程なくして櫓さんはゲームをクリア。しばらくは更新できなさそうなハイスコアをたたき出しました。
櫓:「こんなものか。」 と足音の主の方を見やる。子供かな?
GM:では、クレーンゲームの方に目をやると……そこにいたのは、10歳くらいの女の子でした。
櫓:一人?
GM:はい、一人です。しかも奇妙なことに、彼女が身につけているのはパジャマとカーディガン、それにスリッパ。
GM:11月という季節を考えると、寒そうなものですが……
華表:誘拐事件だわ、犯人はやぐらんね。押さえにいくわよ
GM:彼女はクレーンゲームの景品をじっと眺めてから、ボタンやレバーをくいくいいじったりしています。お金も入れずに。
マルコ(仮名):うちの子もゲーセンではお金使わないぜ。
櫓:なんだって
櫓:じゃあ近寄って声をかけよう。 「人形が欲しいのかな?」
由希:「え?」 くるりと振り返って、人がいたことに驚いた様子を見せます。その肌は病的なまでに白く、温かみをほとんど感じさせません。
櫓:明らかにここにいるべき子ではない、と…… 「君、一人かい? 親御さんは…」
由希:「……。わたしがほしいのは、あれ。」 質問に言葉をかぶせて黙殺しつつ、景品を指差します。
由希:示されたのは、きらめく欠片を漂わせる半球体……いわゆる、スノードームというやつでした。
櫓:箱かなにかに入ってるんだよね
GM:そうそう。<箱入り
マルコ(仮名):重そうなヤツを……
GM:クレーンゲームの景品なので、小さくて軽いやつということで
櫓:「ふむ。ちょっと待ってな。」 ……とれるかな?
GM:残念なことに、小銭はさっきのシューティングゲームで使い切ってしまっています。
櫓:む。
GM:この店には両替機なんて気の利いたものはありませんし、店員も何処に行ってるんだかで不在です。
華表:筐体を殴ればいいって誰かが言ってたわ
櫓:《万能器具》でコインの代用品を作り出せないかな
GM:あはははははは!(笑)
GM:い、一回だけなら目をつぶりますよ……(笑)<通貨偽造(通貨ではない)
櫓:よし。では、ちゃりーん
GM:では、軽快な音楽と共にクレーンが動き始めました。少女は目を輝かせてそれに見入ります。
マルコ(仮名):万能器具で筐体下の鍵を開けて、クレジット追加ボタンを数回押せば。
櫓:鍵開けって別エフェクトじゃなかったっけ
マルコ(仮名):開けたって 良いじゃないか 万能だもの みつを。
GM:鍵穴にぴったり合う鍵を作れるわけじゃないでしょうし、作れたとしてもピッキングツールくらいかなと思います。
GM:さて、せっかくですし櫓さんは〈調達〉で判定してみてください。ただし今回、財産ポイントは使用できません。
櫓:社会1で調達Lv1だから、1d10+1かな
GM:そうですね。
櫓:1d10+1
Dice:1d10+1 = 4(1d10: 4) + 1 = [5]
櫓:あ、だめそう
GM:では残念ながら、クレーンがスノードームをキャッチすることはありませんでした。
少女:「ああー……」 と残念そうな声を上げます。
櫓:「む……」
櫓:よーし、取り出し口から手製クレーンを突っ込んで回収するぞ
GM:おまわりさーん!
少女:「ざんねんだったけど、ありがと。」 と、少女は櫓さんに向き直ってお礼を言います。
華表:やっぱ肉体言語よ
櫓:あ、まてよ。現物が目の前にあるんだから似ような物を作り出せば……
GM:えっ手品師? その場合は〈RC〉で判定してもらいますね。
マルコ(仮名):では、ルパンのごとく懐から取り出す。
櫓:素直に諦めよう。 「ちゃ~、ごめんよ。えーと、君何処から来たんだい?」
少女:「……あっちのほう。」 と明言を避けつつ、店の外の一方を示します。
少女:そしてだんだん暗くなってきていることに気づき、 「あっ……もうかえらなきゃ。」
櫓:「一人で帰れるかい?」
少女:「うん。……わたし、水上由希。おじ……おにいさんは?」
櫓:言い直しただけまだいい子だな
櫓:「俺は櫓永智……やぐらんって呼ぶやつもいるけどな。」
由希:「やぐらん?」 くすり、と楽しげな笑みを浮かべます。
由希:「やぐらん、またきたときは……あれ、とってくれる?」 スノードームを指差して。
櫓:「お、おお。次はとってやるよ。」
マルコ(仮名):(この店の子供ですね。判ります)
櫓:そうきたか
GM:なにそれこわい
華表:マッチポンプね
櫓:調達って、シーン切り替わるたびに可能なんだっけ
GM:そうですね。1シーン一回。
由希:「うん。たのしみにしてるね。」 と言って、彼女は店を出て行きます。
由希:「またね。」 儚げな印象と、“ゆき”という懐かしい響きの名を持つ少女は、そう言って去っていきました。
櫓:クレーンのことで忘れていた。あの子もゆき、か……
GM:というところで、シーンを切ろうと思います。最後に、水上由希に対するシナリオロイスを結んでください。
櫓:慕情/恐怖で、思い出したらぐさっと。
GM:にやにや。あ、表はどっちで?
櫓:あ、ポジが表で。
GM:はーい。では、次のシーンへ。
○オープニング・シーン2:逃亡者――マルコ(仮名)
マルコ(仮名):登場。 1+1d10
Dice:1+1d10 = 1 + 8(1d10: 8) = [9] (侵蝕率:32→41)
櫓:裏でクレーンと格闘していいのかな
GM:――“ストラムボーン”というFHエージェントがいました。
マルコ(仮名):ふむ。
GM:年齢的にはまだ少年でありながら、戦闘や潜入に優秀な才能を示し、あなたの元にもよく情報を乞いに来ていました。
GM:以前は頻繁にあなたの元を訪れていたのですが……何故かここ最近、ぱったりと姿を見せなくなりました。
マルコ(仮名):「そう言えば、最近は連絡がないな……。面白い少年なんだが。」
GM:さて、場所は夕暮れの路地裏。カラスもスズメもねぐらに帰る時間で、あなたの操るスズメはセグウェイで駆けていました。
GM:こんなのがその辺走ってたら大変な騒ぎになりますので路地裏の利用をお願いします。まじで。
マルコ(仮名):ブーン……
マルコ(仮名):(《飛行能力》が取れないんだ~yo)
GM:そうやって帰路を急いでおりますと……前方右手の道から、ばたばたと騒がしい音が。
GM:その物音に続いて、一人の少年が目の前に飛び出してきます。
マルコ(仮名):「おっと。」 姿勢を中立にしてセグウェイを止めるぜ。
“ストラムボーン”:「くっ……!」 飛び出してきた彼こそ、最近見かけなかった“ストラムボーン”本人でした。
GM:見れば彼は息を切らし、いくつか傷を負っているようです。
マルコ(仮名):「久しぶり……って感じじゃないな。どうした?」
“ストラムボーン”:「っ!?……スズメ? あんたか!」
マルコ(仮名):まぁ、セグウェイスズメなんて見間違いようがないよね。
櫓:ひげぴよみたいなノリだな
GM:少年エージェントが思わず足を止めている間に、路地からは数人の男たちがばらばらと現われ、武器を構えます。
男たち:「ここまでだな。」「大人しくしてもらうぞ。」
マルコ(仮名):「私の後ろに。」 少々のダメージなら止めるぜ。
男たち:「!?」「誰だっ!?」 いきなり聞こえてきた声。見渡せば何か変なスズメ。思わず動揺します。
“ストラムボーン”:「――ッ!」 その一瞬の隙を突いて“ストラムボーン”が動く!
GM:少年と男たちの体が交錯したかと思うと、次の瞬間に男たちは全員倒れ伏していました。
“ストラムボーン”:「はあっ、はあっ……!」
マルコ(仮名):「ほぅ。その強さは健在だな。しかし、一体どうした?」
“ストラムボーン”:少年エージェントは、何か言いたげな顔をスズメに向けますが……何かを諦めたようにかぶりを振ります。
マルコ(仮名):「力になれることが、あるかも知れんぞ?」
“ストラムボーン”:「あんたには、悪いけど……後は、頼んだ。」 そう言って、《ワールウィンド》を使用。目にも留まらぬ速さで路地の奥へと消えていき、シーンから退場します。
GM:そして残されるスズメと死体。
櫓:完全犯罪完成
マルコ(仮名):「ふむ……。近況を、調べるべきだね。」
GM:現場の処理はどうしますか?
マルコ(仮名):さて、携帯で連絡取って、部下に調べさせよう。
マルコ(仮名):死体の周りに、多数のスズメが飛んでくる。
GM:鳥葬だーッ!?
マルコ(仮名):いや、運ぶだけじゃよ?
GM:なんだびっくりした って え? え?
マルコ(仮名):身ぐるみ全て剥いで、あと組織片も少し持って行かせるか。
マルコ(仮名):と言うわけで、部下に手分けして運ばせるぜ。あ、裸の死体は放置。
GM:うわあ事件だ。
マルコ(仮名):わてら、FHじゃけんのぉ。
櫓:嫌な事件だったね…
華表:調査する必要がありそうね
マルコ(仮名):死体は流石に重いので、部下思いのマルコとしてはそこまで要求しないのぜ。
GM:では、路地裏死体遺棄事件をお膳立てしつつ、シーンを終了しましょう。最後に、“ストラムボーン”へのシナリオロイスを結んでください。
マルコ(仮名):好奇心/不安。ポジで。
GM:はーい。では次のシーン。
櫓:スノウなんとかの調達判定したーい
GM:すいませんそれ登場したシーンでなんですよ
櫓:すみませんでした
マルコ(仮名):ミドル以降で判定だっ
○オープニング・シーン3:命令者――華表
GM:ここはUGN日本支部・K市支部。華表さんの城。というわけで登場と侵蝕率の上昇をどうぞ。
華表:1d10 登場ー!
Dice:1d10 = 10 (1d10:10) = [10] (侵蝕率:29→39)
櫓:とっても元気ですな
華表:始まりからこんな飛ばしてていいのかしら。大丈夫?
GM:駄目かも。さて、今日も支部長としての仕事をこなすあなたの元に、上司からの連絡が入ります。
GM:で、上司役なんですが……定番にしておきましょう。
華表:偉い人が出てきそうな雰囲気よ! リヴァイアサン!?
霧谷:『お久しぶりです、華表さん。今、よろしいですか?』
GM:はい。通信の相手はUGN日本支部長、“リヴァイアサン”霧谷雄吾ですね。
マルコ(仮名):「きゃー! 華表さーん!」(何)
華表:「やほー久しぶり。暇で暇で爆発するかと思ってたところよ。」
霧谷:『それはよかった。ぜひとも頼みたい任務があるものでして。』
GM:霧谷はにこやかな表情を改めて、真面目に話し始めます。
華表:「スズメ以外からの任務ってなんか久しぶりね」
霧谷:『――“冬の落とし子(ストレイスノウ)”という名を、聞いたことはありませんか?』
華表:「ストレイスノウ……」 うーんうーん
華表:「きっとないわね! 覚えてないわ!」
霧谷:『やはり、そうでしょうね。UGNでも、サラマンダーシンドロームのオーヴァードであるという断片的な情報しか掴めていません。』
華表:「あたしがどっかのチャラ男だったらオレかぁとか言い出すところよそれ」
霧谷:『“冬の落とし子”は、ここ数日、FHのネットワーク上で頻繁に流されている情報です。どうやら、FHが目下その行方を追っているということらしいのですが……』
霧谷:『我々でも端緒を掴めるとなると、何か大きな計画に関わる事案なのかもしれません。そこで華表さんには、“冬の落とし子”の捜索と確保をお願いしたいのです。』
華表:「なるほどね。要するにサラマンダーシンドロームの人を片っ端から……」
霧谷:『……。』 神妙な顔つきで画面の向こうの華表さんを指差します。
華表:「ん、なになに? メザシが喉に詰まったみたいな顔になってるわよ」
霧谷:『い、いえ……こほん。あまり触れ回ることでもありませんが、華表さんはFHとも個人的なパイプを有していると聞いています。』
霧谷:『(というより、進さんの方から「娘に変な虫……じゃなくて、変な雀がついた!」とクレームを受けたんですがね……)』
華表:「あー、あれねえ。あれも困ったもんよね。どうにかならないかしら。」 父親もスズメも
櫓:スズメと同列の父親……
GM:名前からしていやなんでもない
※華表 進(とりい・しん)……佳奈の父親にして初期ロイスの一人。過保護気味なため娘にはウザがられている。
霧谷:『そういうこともあり、今回の任務にはうってつけであると判断しました。よろしくお願いします、華表支部長。』
華表:「はーい了解。あたしに任せてくれたからには期待して待ってていいわよ!」
華表:デウスエクスマキナになったらごめんね
霧谷:『ええ、いい報告を期待しますよ。それでは。』
GM:通信が終わると共に、このシーンも終了。最後に“冬の落とし子(ストレイスノウ)”に、シナリオロイスを結んでください。
華表:興味/不安のポジって感じかしらね。
華表:あれ、そんなのなかった
GM:「任意」がありますから問題ないですよ。
マルコ(仮名):好奇心
華表:無関心/不安のポジ
GM:おいィ……
華表:なんとなく好奇心にしとこうっと。
櫓:あら、由希ちゃんのネガ、悔悟でもよかったな……
GM:あ、差し替えてもいいですよ。
櫓:では、恐怖→悔悟に。
マルコ(仮名):誘拐/逮捕のポジで。
GM:はい。ではオープニングフェイズは以上、ミドルフェイズに移りますね。
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