○エンディングフェイズ・シーン1
GM:名もなき古の神殿、“純白竜”アインの石像前の広間にて、戦闘直後のシーンです。
GM:“九尾鞭”と名乗っていた魔獣が滅んだことにより、彼女の術で行動不能にされていた白竜騎士たちが、うめきつつも体を起こしつつあります。
白竜騎士:「まだ頭が……」「奴を倒した……のか?」「それより、姫様は?」
セラ:「もっとしゃきっとしなさい、しゃきっと」
白竜騎士:「め、面目ない……」 真面目に不明を恥じます。
セラ:「打ち落とせばいいのかな?」 じゃきん
レンハ:うむ。背景でクリスや神官を助けておこう。
GM:神官は別室に閉じ込められていますが、そちらには他の騎士が向かったことでしょう。
GM:クリスはだいぶ高いところで磔にされており、ご神体をよじ登っていいのかどうか、白竜騎士たちも手を出しあぐねているようです。
ワッカ:はやくいかないと!
GM:と……レンハさんの懐で、王の石が再び白い輝きを放ち始めます。
レンハ:む。
『――翼を貸そう』
GM:アインの声がレンハさんの胸に響いたかと思うと、王の石は再びアインの体から力を引き出し、光としてレンハさんに注ぎます。具体的にはドラグーンの《エイルフォーム》。
GM:……おっと、単独じゃ使えなかったので《エンハンスブレス:水》もですね。
レンハ:おお。 「アイン様?」 と少し戸惑いながらも、飛行して迎えに行こう。
GM:では、気絶したままのクリスを抱えて地上に戻ろうとすると、王の石が石像の前に浮かんで、あの白い少女の姿を幻影としてその場に映しだします。
『――我は、“純白竜”アイン』
GM:少女はその場の全員を見渡して、厳かな声音でそう告げます。
レンハ:ざわ……
アールゥ:……ざわ
セラ:じゃきっ
白竜騎士:がしっ
ワッカ:ざわざわ……っ!
『――いまや我が魂は王の石に封ぜられ、我が体は石と化した。それ全て、魔族の所業なり。』
白竜騎士:「魔族……?」 白竜騎士たちがざわめきます。
クリス:「う……ううん……?」 その喧騒に、こちらも目を覚ましました。
『――のみならず、魔族は王の石に呪いをかけた。王は、生ける間も死せる後も石に心を囚われる。』
セラ:うわぁ。
『――呪いを解く術は三つ。呪いをかけし魔族を滅ぼすか、呪いの源たる“邪神の御子”を討つか、あるいは……この国を守護すべき、我が力と引き換えか。』
レンハ:ふむ……
『――“邪神の御子”の力は強大なり。彼の者は今、神竜王と共に眠れり。』
『――故に、選ぶ道は二つ。呪いをそのままに、魔族を捜し滅ぼすか。我が加護と引き換えに呪いを解き、この国を人のみの手に委ねるべきか。』
『――呪いに心囚われることなく、我が身に石を捧げし騎士レンハよ。汝、選ぶべし――』
GM:“純白竜”の言葉が終わると、神殿内は静けさに包まれました。白竜騎士たちは一言も発さず、レンハさんに視線を注ぎます。
アールゥ:「……レンハ様……」
GM:選択肢を整理しましょう。一つ目の選択は、石に呪いをかけた魔族を見つけ出し滅ぼすまで、呪われた竜輝石を放置するというもの。
GM:魔族を滅ぼすまでどれくらいの時間がかかるかはわかりませんが……その間、王の座にある誰かは心を囚われてしまうことになるでしょう。あるいは呪いに克てる者、克った者が王となれば、その事態は防ぐことができます。
GM:二つ目の選択は、“純白竜”の力によって、この場で即座に呪いを解いてしまうというもの。
GM:王の石にまつわる後顧の憂いはなくなりますが、アインの力は長らく失われることになります。そうなれば、魔族や妖魔の暗躍も続くことになるでしょう。
レンハ:なるほど……
ワッカ:リムーブカースと言う名のギルドを……
GM:あれなんか別キャンペーン始まる予感
レンハ:どちらを選ぶかと言われれば、石の呪いを解く方を選びたくなる。それが故エグベルト王への報いだと思う。
クリス:もしそういうことを口にしたのであれば、胸の前で拳を握りしめてエグベルトのことを思い返したりします。
『――これまで長らくの間、我が加護失くしてこの国は発展してきた。しかしそれは、呪いに突き動かされた王の意志と、魔族の暗躍があったためでもある。
『――神と魔、その両方の加護を失ってなお、汝らはこの国を支えていく覚悟はあるか?』
レンハ:どれだけ大変なことか想像もつかんな。ふとクリスの表情を見る。
クリス:では、不安に揺れた瞳をしていましたが、レンハさんの視線を受けて、覚悟を決めたように頷きます。
レンハ:わかった……。では、己も支える覚悟をせねばなるまいな。
レンハ:「はい……あまりに微力ではありますが、私はこの国のために生きたい。」
アールゥ:……
GM:その答えに、背後で整列した白竜騎士たちも、一斉に剣を捧げます。
セラ:びっくりする(えっ)
GM:そしてこの支える気ゼロの人材である
ホロ:「僕達は仲間ですからね!」
GM:では、人間たちの答えを受け止めたアインは、満足げに、けれどどこか寂しげに眼を閉じて……
『――承知した。汝らに、竜輝石の導きのあらんことを――』
GM:そう宣うと、白い少女の幻影は消え……アインの体から石像へ、純白の光が注がれていきます。
GM:王の石からは、黒い影のようなものがいくつも滲み出してきては、光に浄化されて、天へと上っていきます。
GM:ほとんどの影はなんとなく人のような姿をしているに過ぎませんが……最後に、はっきりと姿形のわかる幻影が現われて、レンハさんたちの方を見ます。
『――伯らは選択した。心せよ、伯らの前に現われる障害は、この“騎士王”どころではない難関となろう。』
『この国がこれより、いかなる道を辿るのか……余の分まで、しかと確かめてくれ。』
『頼んだぞ、“剣竜伯”――』
レンハ:最敬礼する。 「仰せの通りに。」
GM:すべての幻影は天へと消え、神殿内は純白の光に満たされていき、そして――
○エンディングフェイズ・シーン2――流浪の旅人・セラ
GM:というわけで、ここからは個別のエンディングシーンとしたいと思います。
GM:まずはセラさんから。希望は事前に聞いているので、まずは演出から……
GM:古の神殿における決戦から、しばしの時が過ぎて……あなたは今、南への旅路を歩いています。
セラ:てけてけ。
GM:目指すは南のゴルフォード王国。ネヴァーフの王が治めるその国は錬金術が盛んなことで知られています。
GM:結局あなたは、多くの友人が暮らすこのグラスウェルズを離れることにしました。ゴルフォードの次は“裁定者の国”エストネルに向かい、そこからはメルトランドやレイウォールなど、白竜王国に敵対する国に行くこともできるでしょう。
GM:それらの国を巡り、芸をして……いつかまた、グラスウェルズに戻る日が来るんでしょうか?
セラ:いつになるかは分かんないけど、いつかきっと。
GM:その日が怖……いや楽しみですね。うん。
セラ:「結局、何も言わずに出てきちゃったなぁ。いつものことだけど。」
セラ:「……そういえば」 私の道具入れの中には筆記用具というものがあってね……
GM:つい買っちゃうけどあんまり使わないんですよねー。羽ペンとインクと羊皮紙のセット。
セラ:「……うん、たまにはいっか」 取り出してさらさら~っと手紙を書く。そして……
ワッカ:干からびたはとが……
GM:一回もMP使ってないからむしろ脂ぎってるんじゃないかな……
セラ:《ファミリア》の封印開封。 「おいでエリン。久しぶりだね」 帽子からぽんっと鳩を出して、手紙を渡す。
GM:突然の奇術に誰がびっくりするって鳩がびっくりですよね。えっ出番!?
セラ:「これ、届けといて」 届け先は……パーティの皆? まだベルクシーレにいるのかな。
GM:どこか適当な居場所に、ということで。
鳩:くるっぽー、と一声鳴くと、足に手紙を結び付けた鳩は、北に向けて飛び去っていきます。
セラ:「あっそうだ!」 飛び立とうとした鳩を捕まえる
鳩:ぽっ!?
セラ:手紙を一回ひったくってさらさらっと追記。 「これでよし。よろしくね。」
鳩:く、くるぽー……(ばさばさ)
GM:この顛末は、次のシーンでやるとして……これでひとまず、心残りはなくなりましたね。
セラ:うん。また南に向かって歩き出そう。
GM:旅からまた旅への生活。一所に腰を落ち着けるということを知らないかのような足取り。
GM:ある時は山で行き倒れ、またある時は裏道で姫を拾い、またある時は騎士団相手に奇術での大立ち回り……
セラ:「……風が目にしみるなあ」 いつか会える……
GM:流浪の旅人はこうして、白竜王国を後にしたのでありました。
○エンディング・シーン3――隠者の弟子・ホロケウ
GM:続いてはホロさんのシーン。これからあなたはどうしますか?
GM:王都で姫君のために働くもよし、故郷に戻って少し考えてみるもよし、ワッカと見知らぬ土地へ逃避行するも……よくなし。
ワッカ:3で!
ワッカ:故郷と、王都の往復ですかね?
ホロ:……なので、王都で姫さまのために働くのがメインですね
GM:働き者だなあ。では、そんな生活に戻ろうとした矢先に、セラさんから伝書鳩が届きます。
GM:内容についてはセラさんにお任せ。
セラ:『姫様の身柄は預かった』
GM:ざわ…………
ワッカ:わんしょっと わんきる
レンハ:あ、もうこのやり取りも最後かと思ってちょっと寂しくなった
『や。皆元気? 私は結局、グラスウェルズを出ることにしたよ。
過ごしやすくてついつい長く居ちゃったけど、そろそろ他の国も見てみたいからね。
皆と一緒に居た時間は楽しかったし、名残惜しいんだけど……。また、グラスウェルズにも帰ってくるから。
だから、私が戻ってきたときにびっくりするぐらい、いい国にしておいてね。期待してます。』
セラ:この文面を考えるのでも頭爆発した
ワッカ:セラ(悪)は、滅びた……だが、第2第3の脅威が
GM:滅びてないしいつか戻ってくるし……(笑)
ワッカ:あいるびーばぁーーっく
ホロ:「……セラさん……」(その文面にセラさんらしさを感じてなんだかほっとします)
『追伸』
ホロ:「……ん?」
『なお、この手紙は自動的に消滅する』
ワッカ:「ちょ……まっ!(笑)」(ちゅどーん)
セラ:あとは任せたGM! ドリルくちばし!
鳩:くるっぽー!(ぎゅるるんどりるん)
GM:というわけで一瞬後には、手紙は無数の紙切れとなって風に流されていたのでした。
GM:……自由だなあ。
ティアナ:――ホロ? ホロはどこかしら?
GM:遠くの方で、姫君があなたを探している声が聞こえます。
ホロ:「はい、姫さま!」(タッタッタッタ)
GM:山村に住まう隠者の弟子は、王都で暮らす姫君の騎士に。失われた記憶、子供のままの姿、それらはすべて、ホロさんの中にある可能性を示しているのかもしれません……
ホロ:「何か御用でしょうか」
ティアナ:「ああ、ホロ! 悪いのだけれど、また頼みたいことがあってね――」
ホロ:「はい、姫さま!」
GM:果たすべき任務を与えられ、あなたは応じる。
GM:“思い出せ、そして果たせ――汝に課せられた、本来の役目を”
GM:……内なる声は、まだ聞こえない。
○エンディング・シーン4――騎士の従者・アールゥ
GM:お次はアールゥさんのシーンです。……聞くまでもない気がしますが、これからどうしますか?(笑)
アールゥ:今まで通り、レンハ様におつかえしますよ?(笑)
GM:ですよねー。
アールゥ:ですが、その傍ら……バルムンクについて調査します。
GM:ほう?
アールゥ:バルムンクが存在している限り平和は無いでしょうから……
GM:では、卓越した情報収集の技術によって、あなたはやがて、アインの言っていた存在にたどり着くことができます。
GM:“報復者(フラガラッハ)”――その名を持つ魔族こそが、この国で暗躍するバルムンクの幹部の一人であり、王の石に呪いをかけた存在です。
アールゥ:やっぱりその人なんですねー
GM:基本的には史実(?)に準じますよ
GM:その情報を、あなたがどうするかは自由です。主君であるレンハさんに伝えるもよし、ルカ=ディエンの意見を仰ぐもよし、その胸一つに収めていずれ来る日を待つもよし。
アールゥ:「“報復者”…………この魔族を倒す事が出来れば……(思案)」
アールゥ:レンハ様はこれから国の事がありますし……今はまだ胸の内に秘めておきます。
GM:この先いずれ、あなたが最後の奉公として、その魔族と相対する日も来るのかもしれません。が……それは今ではありません。
アールゥ:「……それまでに人材の育成を……」
アールゥ:その人材こそが次回のシリーズの主人公なのでしたっ(ぇ)
GM:な、なんだってぇー!?
GM:だからあなたは今日も、王に対する騎士のように、主に仕える“騎士の従者”として、日々の務めを果たしていくのでしょう。
アールゥ:「…………今は……国が落ち着くまでレンハ様の従者としてやれる事をやりましょう」
アールゥ:と、いう決意を胸に今日も従者として……メイドとして頑張ります。
GM:いつか来るその日まで、いずれ来るその時まで。
○エンディング・シーン5――辺境の騎士・レンハ
GM:とうとう最後に、レンハさんのシーンです。これから、どうされますか。
レンハ:そうだなぁ。これから魔族や妖魔による事件が増えるやもしれんので、そちらに対応しながら……
レンハ:気付いたら世継ぎがいない件について頭を悩ませたりとか。
GM:笑い事じゃないですが笑い事ですね。……お見合いでもしますか?(笑)
レンハ:なぜかそのお見合いは失敗しそうな気が
レンハ:このままだと養子を取ることになりそうな気がしてきてこわいね。ともあれ、恐らく今まで通り国中を走り回ってるよ。
ルカ=ディエン:まったく、落ち着かない領主もいたものだ――と、苦笑されているかもしれませんね。
ワッカ:「ほんとに……」とご相伴にあずかりつつ
GM:シュール……
レンハ:そうだろうなぁ。……あとは、無理を言って度々クリスに手紙を送らせてもらおう。近況報告や何やら。
レンハ:「無事か」とか「何か悩み事はないか」とかその辺。
GM:ホロさんにメッセンジャーを務めてもらえばよさそうですね。クリスからも、シャルル王を軸に貴族をまとめていく意向や、レンハさんを奔走させていることへの詫びなどがつづられてきます。
セラ:「なお、この手紙は自動的に消滅する」
レンハ:ワッカのドリルくちばし
GM:ホロのれいとうビーム
ワッカ:れいとうビームって(笑)
GM:気丈に振る舞うクリスからの手紙には時折、シャンパーで過ごした日々を懐かしむ文面が紛れ込んでいます。
GM:還らざる日々は遠く、やがて記録にも残されず、記憶の中に風化していってしまうのかもしれません。
GM:それは、これまでレンハさんたちの為してきたことにも言えます。
――ジョール山脈の頂にて黒竜を屠り、
――グロークの街にて暗殺者を倒し、
――霊峰ユーティラプスの峡谷にて“死神”を退け、
――シャンパーの邸にて“水晶剣”を砕き、
――ベルクシーレの宮殿にて“騎士王”を討ち、
――名もなき古の神殿にて“黄金剣”を滅ぼした。
GM:ドラゴネットの寿命からしてみれば、わずか五年……あるいは長く、あるいは短い旅路でした。
レンハ:思えば遠くまで来たものだ……。
レンハ:わずか五年でこれだけやってきて、これ以上何をするつもりだと言うのだろう。
GM:おや。エグベルト王の言葉を忘れましたか?
GM:この先の道の険しさは、こんなものじゃ済みません。まだまだ果たすべき役割はいくらでもありますよ、きっと。
レンハ:そうだなぁ。本当に想像がつかない。
GM:ですが、ふと立ち止まって周囲を見回せば……
GM:不器用ながらも優れた父上がいます。よくできた従者がいます。同じ主君に仕える小さな同僚がいます。愉快でブレない妖精がいます。
ワッカ:「!?」
GM:期待をかけてくれた奇術師がいます。発破をかけてくる同族がいます。茶目っ気のある長老がいます。
GM:あなたを信頼してくれている姫君がいます。あなたを認めていた魔族がいました。
GM:あなたの屋敷に転がり込んだ白い少女もいます。
レンハ:うむ……。……うむっ?
アールゥ:白い少女……?
アイン:「……力は、使い切ったけど……別に、消えるわけじゃないし……」
アールゥ:アイン様っ(笑)
アイン:「石のまま、あそこにいるより……こうして、見てたい。」
アイン:「この先、あなたがどうするか。この国が、どうなっていくか。」
アイン(ワッカ):「べっべつに、あんたのために力を使い果たしたわけじゃないんだからね!」
レンハ:……なるほど、波乱は到底終わりそうもない。
ルカ=ディエン:お前いつの間に子が、いや相手は一体……!? などという騒乱も起こりかけつつ。
レンハ:うわあああまたこの手の展開か
セラ:まったく、爆発すればいいのに
GM:ジョール山脈の西、ゴート地方。領主を務めるは“剣竜伯”。
GM:辺境の騎士は今もきっと、この国の何処かを駆けている。
アリアンロッド・サガ・キャンペーン 了
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