○ミドル・シーン8:嚆矢の計画――白崎
GM:白崎さんからの連絡を受けた嚆矢が指定してきたのは、繁華街にあるオープンカフェでした。
GM:ギラギラとした日差しが照りつける中、登場どうぞ。
白崎:1d10 登場。うー緊張する……
Dice:1d10 = 6 (1d10: 6) = [6](侵蝕率:67)
GM:周囲では家族、友人、カップルなど……ごく普通の人々が、それぞれ思い思いに日常を満喫しています。
GM:そんな風景の一角に、ニット帽をかぶった嚆矢の姿があります。隣の席には、明日香を従えています。
嚆矢:「お~、こっちだこっち。」 軽く手を振るその様子は、これがただの友人同士の集まりであるかのようです。
白崎:2対1! これは敗戦濃厚、退避します
GM:ビビりすぎだ!(笑)
白崎:「あ、うん……お待たせ」 そっち行くー。
白崎:そして明日香さんは……面識あったりするのかな?
GM:元UGNチルドレンですし、あってもおかしくはないですね。ただ、明日香の方が特に何か反応するということはありません。元々希薄です。
GM:では白崎さんを対面に座らせると、嚆矢は周囲の客を見渡してから口を開きます。
嚆矢:「なあ、周りの連中を見てみろ。こいつらはみんな豚だ。日常のありがたみに気づくことはない。」
嚆矢:「自分たちの日常を支えるために、チルドレンが何人も犠牲になっているかなんて知りもしない。こんな奴らを救うために、多くの仲間たちが死んでいったんだ。」
GM:空になったロッカーが、脳裏を過ぎるかもしれません。
白崎:宗教じみてきてるね(おい)
GM:極端な子なんですよね
白崎:「う、それは、その……」 口ごもるというか反論できない!
嚆矢:「事実、明日香は心を殺されてるんだ。豚どもの犠牲者だ。」 隣に座る少女に目をやり、嚆矢はそう吐き捨てます。
明日香:「……」 当の本人は押し黙って、注文したコーラをストローですするのみ。
白崎:そして微妙な顔ですね
GM:間違いない
嚆矢:「……で、ビビりの死神さんは何の用で俺を呼び出したんだ? と用件を聞きます。
GM:その目には、一種の期待が宿っていますが……
白崎:一緒にコーラでもどうかなって
大神:自販機から持ってきたやつ?
GM:困りますよお客さん
白崎:「あ、えっと、その……前、言ってたよね。俺たちは今、“デカいこと”をやろうとしている……」
嚆矢:「ああ。」 それがどうかしたか、とでも言いたげです。
白崎:「……その、何をするつもりなのか、聞いていい?」 ちょっと直球すぎるかもしれないけど多分大丈夫。
嚆矢:「いいだろう。……最近、国内に弾道ミサイルが配備されたのは知ってるか?
白崎:「そ、そうなの?」 知ってるけど知らない。知らないってば!
嚆矢:「そいつをちょいとお借りしようと考えてる。ミサイルを盾に、俺たちオーヴァードの存在を大人たちに認めさせる。」
GM:要するにレネゲイドウィルスの情報公開ですね。UGNが最も恐れていることです。
嚆矢:「認めなければ……俺たちが本気だってことを示すしかないだろーな。」 どこか醒めた声で語ります。
白崎:なんかすごくFH的な思想に染まってますよね
GM:FHは基本的に「オーヴァード優位の社会を作る」ことを目的としているので、情報公開を望んでいるというより、秘匿する必要も特にないと考えてたりなかったり。理念が統一されてない組織って相手にしにくい!
嚆矢:「だから……単刀直入に言うぜ。俺と共に来い。」
白崎:でもミサイル借りたからって情報公開に説得力があるかなあ?
GM:それで済むならどこかがとっくにやっている、と考えられなくもないですね。
GM:ともあれ今は、目の前の少年に返事をしなければならないでしょう。
白崎:「……ごめんなさい。やっぱり、あなたのほうにはつけない……」 勇気要るなあこれ
白崎:最後のほうになるにつれて声が小さくなったりしそうだ
大神:(外野のどよめき)
GM:臆病なあなたが、勇気を振り絞って答えると……嚆矢はニット帽をくしゃりと掴むようにして目元を隠し、しばしの沈黙の後に声を発します。
嚆矢:「お前なら……同じ境遇のお前なら、理解してくれると思ったのにな。残念だよ。」
白崎:「その、力で私たちの存在を認めさせても……本当に、真の意味で認めてくれるわけじゃないと、思う、から……」 怖い
嚆矢:「……」 聞いているのか、いないのか。胸ポケットから一枚のIDカードを取り出して、白崎さんの前に滑らせます。
GM:それはUGNのIDカード。記されている名前は“桐生嚆矢”。
嚆矢:「お前がつけてくれた名前だから、お前に返す。……たった今から、俺はもう桐生嚆矢じゃない。」
白崎:「……え」
白崎:やっぱり光宙のほうがよかったのかな……
GM:グレるぞ
嚆矢:嚆矢は席から立ち上がると、白崎さんをじっと見下ろして宣言します。
リベレーター:「“ライトニングボルト”も“桐生嚆矢”もいらない。今日から俺の名前は、ただひとつ。“リベレーター”だ。俺はチルドレンたちの解放者(リベレーター)になる。」
明日香:彼に倣って、隣の席の明日香も立ち上がります。
“リベレーター”:「じゃあな、死神。」 何かを押し殺すようにして告げると、“リベレーター”は歩き出します。
白崎:「ま、待って」 ちょっと呆然としてた。危ない
明日香:“リベレーター”は振り返りませんが、その後に続く明日香が、一旦足を止めて振り返り……
明日香:「みんなが笑って暮らせる世界を作ってくれる。嚆矢が約束してくれたの。」
GM:どこか空々しく聞こえる言葉をかけて、再び歩き出します。
白崎:その結果がこれ(コーラ)だよ
GM:キーアイテムか何かか
GM:二人はそのまま、雑踏の中へと消えていきます。何もなければシーン終了です。
白崎:うー、このままいくと、私が嚆矢を……考えたくないなあ、やめよう……
白崎:で、シーン終了でお願いします。嚆矢のロイスどうしよ。またネガにしとこう。
GM:はい。ロイスもまだ空いてるはずですし、隙あらば新しいのも結んでいってください。
白崎:今5つだったかな。明日香さんに結んどこう。
GM:おっと、感情はどうしますか?
白崎:好奇心/隔意のネガかな。なんとなく苦手なタイプかも。
玄樹:……ちなみに忘れていたので私も。シナリオロイスの与儀に、P:尊敬/N:隔意で結ぶ。表は隔意だ。
GM:では改めて、次のシーンに。
○シーン9:世界を目覚めさせるために――マスターシーン
GM:――薄暗く、埃くさい部屋。迷いなくキーボードを叩く音。画面に流れる、一見無意味な文字の羅列。
GM:キーボードを叩く与儀。傍らで作業を見守るコードウェル博士。
GM:彼らの足元には防衛隊の仕官と思しき影が転がっているが、ピクリとも動かない。
GM:やがて打鍵音が途絶え、与儀がエンターキーを押す。
コードウェル:「なるほど、これでミサイル発射が可能になったということか。」
与儀:「ええ、博士。これで、政府に圧力をかけることができます。オーヴァードの存在は公表され、世界は動き出す。明日香や嚆矢のような犠牲者を生まなくて済みます。」
GM:心からほっとしたような顔で、与儀は続ける。
与儀:「私は、今まで自分のしていることが正しいのかどうか、自信を持てないでいました……」
コードウェル:「今まで? これからも、の間違いではないか?」
与儀:「え?」
コードウェル:「君は良心の呵責から、自分のしてきたことに目を逸らしたかっただけだ。だが、彼らは違う。」
GM:振り向いた与儀の目に入るのは、自分の犠牲者である嚆矢たち。
与儀:「ど、どういうことですか、博士!? 今回の計画は、ミサイル発射を切り札にオーヴァードの存在を公表させるというものではなかったのですか!」
GM:チルドレンの一人から巻き起こる笑い声。
コードウェル:「君は、最後まで生徒たちが抱えていた思いに気づけなかったようだな。」
嚆矢:「先生、甘いよ。オーヴァードの存在を公表したところで世界は変わらない。それでもアイツらは俺たちを否定し……必要なときに甘えてくるだけだ。」
GM:与儀に歩み寄りながら嚆矢は説く。
嚆矢:「弾頭には、レネゲイドウィルスを詰める予定だ。こいつが空中で爆発すれば、街ひとつくらいは覚醒させられるだろうさ。二十年前の再現ってヤツだよ。」
与儀:「な……!?」 慌ててキーボードに振り返ろうとするその頭を、嚆矢の手ががしりと掴んだ。
与儀:「は、離せ、“ライトニングボルト”! そんなことをしたら……!」
嚆矢:「あんたも結局は向こう側の人間だったんだな、“ティーチャー”。」
嚆矢:「あばよ。」
GM:バチリ。
GM:……背後に控えていたもう一人のチルドレンが、その予想外の光景に身をすくませる。
明日香:「な……んで、与儀を殺したの!?」
嚆矢:「ああ?」
明日香:「一体、何人殺さなくちゃいけないの? 誰もが笑って暮らせる世界を作るんでしょ!? 違うの嚆矢? 答えて!」
GM:嚆矢は何も答えない。……しかし、彼の顔は確かに笑みを浮かべている。
明日香:「……っ!」 やがて、その場から飛び出していく明日香。
嚆矢:嚆矢は携帯を取り出し、連絡を取り始める。
嚆矢:「……俺だ。明日香が逃げた。もう用済みだから、処理しておけ。」
GM:短い通話を終えて携帯を閉じ、去った彼女に答えを返す。
嚆矢:「何人殺すかって? 世界が目を覚ますまで……何人でもだ。」
○シーン10:博士の結論――玄樹
GM:というわけで、その直後のシーンです。嚆矢がアジトから外出しているので、大神さんも自由に出てきて構いません。
大神:情報収集も終わったし、玄樹さんと待ち合わせてから研究所かな。
玄樹:1d10 とりあえず私は来るわけだ。
Dice:1d10 = 10 (1d10: 10) = [10]
玄樹:……大神君、一緒に行かないか? (侵蝕率:83)
玄樹:あっち側の世界に
大神:さらば人間世界
玄樹:本来、この辺はPC④のシーンなんだが……コードウェル関係は削ってしまうべきだったのかもしれないな。
GM:で、大神さんはどうしますか?
GM:白崎さんも自由かもしれませんが登場に関して何も書いてない!
大神:アジトの連中には適当に話を付けてそっちに向かおう。 1d10
Dice:1d10 = 10 (1d10: 10) = [10](侵蝕率:84)
玄樹:本当にまずいな我々は!
白崎:ここで私が合流したら祝・PC全員合流ですね
GM:構わんよ
白崎:じゃあ登場。クライマックスまでこのままっていうのも面白そうだったけど。 1d10
Dice:1d10 = 9 (1d10: 9) = [9](侵蝕率:76)
GM:しかしなんでしょうかこのシーンの侵蝕率上昇は。
白崎:ミサイルが一発くらい爆発したのかもしれない
玄樹:では、三人で与儀の研究所へと足を踏み入れて、彼の研究室に向かうわけだが……
GM:さて、与儀の研究室へと足を踏み入れると……そこには、頭部を焦げ付かせた与儀の死体が転がっています。
GM:元は血溜まりの中なんだけどおかしいよね
コードウェル:そして、つまらないものを見るかのように、死体を見下ろしているコードウェル博士も……
白崎:うきゃあラスボス
大神:! こいつが殺したのか!? と思う。
玄樹:「……!」 博士に向けて一歩を踏み出す。
コードウェル:「UGNの者だな? 与儀はこのとおりだ、もう間に合わん。」
GM:あなたたち三人に身構える様子すらなく、博士は語り始めます。
白崎:うぐ…… 後ずさり
コードウェル:「彼は、みずからの手で人形を作り出していたことに、深い後悔の念を抱いていた。」
玄樹:「……辞任を希望していたのは、そのためか。」
コードウェル:「ミサイルによる威力外交で、世界にオーヴァードの存在を認めさせる……そうれば、犠牲になるチルドレンもいなくなると、彼は考えていたらしい。」
コードウェル:「だからだろう。……子供達の考えとずれてしまったのは。」 と、ため息を一つつきます。
コードウェル:玄樹と大神を無視し、白崎を見据えて続けます。
コードウェル:「桐生嚆矢は、ミサイルの発射をためらうことはない。社会から疎外されたが故に、その憎しみは非常に大きい。彼の復讐には正当性がある。」
コードウェル:「急ぎたまえ。World End Juvnile――世界の終焉を求める少年たちの物語の幕開けだ。」
GM:それだけを告げると、コードウェル博士は悠々とした足取りで、あなたたちの横を素通りして出て行きます。
白崎:死神の瞳で嫌がらせする、その後タンスの角に足ぶつけるといいと思う
GM:ちっちぇー! でも一般人なら死ぬ
玄樹:顔にびっしりと汗をかいて、一歩も動けないのがお約束だ。
大神:「何様のつもりだ……!」 吼える。
GM:遠吠えが、無人の研究所に響きました。
GM:直後、大神さんの携帯電話に“リベレーターズ”から連絡が入ります。内容は、明日香を探せというものです。
GM:彼女を確保すれば、潜入以前の情報も得られるかもしれません。
白崎:今度こそコーラトラップのでば……あ、でももうコーラ卒業してそう
大神:あん? あんだけ言いなりな子が姿をくらますって、何があったんだろう。
玄樹:見つけてから話を聞いてみればいいだろう。ともあれ、我々も彼女を捜索するということでいいな?
大神:ああ。明日香を見つけて事情を把握した上で行動か。
白崎:はい。今日は勇気が要る仕事が多いなあ
GM:では、シーンを変更します。
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